2014-01-01から1年間の記事一覧

十二月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 12/21 『フランス絵画史』 高階秀爾 12/22 『倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾 他5篇』 夏目漱石倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾 他5篇 (岩波文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/04/16メディア: 文庫 クリック: …

ルイサダのショパン(17のワルツ)

典型的なサロン音楽作品であるショパンのワルツ。それほど技巧的ではなく、また耳なじみの作品が多いせいか、ワルツ集を聞くと幼少時のピアノの発表会の映像が浮かぶ。それはそれで、ノルタルジーに浸れる心地よい時間を過ごせるのであるが、それだけでは少…

十一月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 11/2 『ミラノ 霧の風景』(須賀敦子全集より) 11/30 『レヴィ=ストロース』 渡辺公三須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)作者: 須賀敦子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/10/05メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 71…

一〇月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 10/12 『悲しき熱帯2』 レヴィ=ストロース悲しき熱帯〈2〉 (中公クラシックス)作者: レヴィ=ストロース,Claude L´evi‐Strauss,川田順造出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/05/01メディア: 新書購入: 6人 クリック: 1…

ルービンシュタインのショパン(マズルカ集)

ほかの作曲家の作品同様、ショパンの音楽を聴くときにも、私は吉田秀和氏の評論を手元に置いている。 だが、マズルカ集では、本当に吉田氏の文章にたよりきってしまった。 「私は、《マズルカ》が好きなのである。」とずばり書いているだけあって、非常にク…

エッシェンバッハのショパン(前奏曲集)

以前NHK-BSの番組において、池辺晋一郎氏がシューマンとショパンという、ロマン派の代表的な作曲家のピアノ曲を比較し、次のようにいっていた。 シューマンはピアノの奏法を探求することによって独自性を獲得し、一方ショパンは書法の完璧さを目指した…

九月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 9/7 『おくのほそ道』 松尾芭蕉 9/28 『マーニー』 アルフレッド・ヒッチコックマーニー [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル発売日: 2012/09/26メディア: DVDこの商品を含むブログ (4件) を見る

フランドル・バロック

イタリア・バロックに続いて、講談社より発刊されていたシリーズ「名画への旅」のフランドル・バロック編を読んでみました。 タイトルは『豊かなるフランドル』。その名前がまさしく示すとおり、神話画・肖像画・風俗画・花卉画など、紹介されるジャンルは多…

『春と修羅』 宮沢賢治

この本を初めて読んだのが10年前、旅行中のバスのなかだったと思う。ひとつひとつの詩を読みながら、本のなかから、北国の冷氷な風が吹いてくるような、さわやかな印象を受けた。 しかし、当時はその思想性までは、到達することができなかった。 今年の8月に…

フリーダ・カーロ 2/2

浄化する画家 堀尾氏は、横尾忠則氏との対談の中で、フリーダとの出会いを次のように話している。 たしかにこの人を介して、私自身どこまで解放されたかはわからないんですけど、とても心が軽くなったという感じがします。 それから、人間というのはこうある…

フリーダ・カーロ 1/2

台湾のフリーダ・カーロ 昨年台湾の高雄を旅行したとき、美術館でモナリザ展、そしてモナリザMIT(Made in Taiwan)という展覧会が開かれていた。モナリザMITは、台湾のアーティスト10組が、モナリザをテーマにした作品を発表したものであり、モナリザ展とと…

八月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 8/1 『ゴジラVSメカゴジラ』 大河原孝夫 8/3 『巨匠とマルガリータ』 ウラジーミル・ボルトコ 8/13 『ひらがな日本美術史5』 橋本治 8/18 『宮沢賢治―存在の祭りの中へ』 見田宗介 8/25 『ゴジラ×メカゴジラ』 手塚昌明宮沢…

『悲しき熱帯Ⅰ』 レヴィ=ストロース 2/2

恐ろしく、美しいレヴィ=ストロースの理論 このように、本の中にちりばめられた思想の中で、もっとも恐ろしい理論、そして非常に美しい理論があります。それらは、失礼を承知でいえば、まるで芸術作品としての哲学ともいえるようなものです。 まずは、もっ…

七月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 7/6 『西鶴諸国ばなし』 井原西鶴 7/13 シャガール版画展/メナード美術館 7/25 『ゴジラ対モスラ』 本多猪四郎 7/26 『三大怪獣 地球最大の決戦』 本多猪四郎 7/27 『フリーダ・カーロ―引き裂かれた自画像』 堀尾真紀子 7/31 …

『悲しき熱帯Ⅰ』 レヴィ=ストロース 1/2

10年ぶりのレヴィ=ストロース 『悲しき熱帯』をはじめに読んだのは2003年、まだこの本の著者が存命であった時でした。以前より機会があれば読みかえしたいと考えており、5月連休の旅行の友として、実に10年ぶりに読むはこびとなりました。 読みかえすと、と…

アルゲリッチのシューマン

呪術士としてのアルゲリッチ。彼女の奏でるシューマンを表現するとすれば、この比喩が最も腑におちます。 私が聴いたのは、次の楽曲。 『幻想曲 ハ長調』 『幻想小曲集』 『ピアノ協奏曲 イ短調』(新日本フィルとの共演) たとえば幻想小曲集。一曲目の『夕…

シャガール展とシャガール版画展

5月に愛知県美術館で、そして7月に小牧市のメナード美術館で、この二つの展覧会に行ってきました。 シャガールといえば、恋人や雄牛が登場する夢幻的な絵画のイメージがありますが、今回の展覧会では、絵画だけにとどまらない、彼のさまざまな技法が紹介され…

バーンスタインのシューマン

バーンスタインのシューマン全集。 3月くらいから聴いていて、もうだいぶ聴きこんだかな、という感じがします。 他の指揮者による演奏をそれほど聴いているわけではないため、比較はできませんが、収録された4曲から感じる印象は、いずれも「正統的」という…

六月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 6/2 『音楽と音楽家』 シューマン 6/21 『天井桟敷の人々』 マルセル・カルネ 6/29 『尼僧物語』 フレッド・ジンネマン天井桟敷の人々 HDニューマスター版 [DVD]出版社/メーカー: エスピーオー発売日: 2010/05/05メディア: DVD…

『シューマン:交響曲第2番』 シノーポリ

ここしばらく聴いているシューマンの交響曲も、だいぶ耳になじんできました。ベートーベンなどと違い、演奏される機会が少ないせいか、聴きはじめはとっつきにくい部分がありました。ただ、曲を表題音楽や「苦悩から勝利へ」などの物語を表現したものととら…

イタリア・バロックとローマ

ローマの印象 3年前の夏に2週間ほどローマに滞在した。 美術目的の旅であったため、主だった美術館、博物館はだいたい訪れたつもりでいた。たしかに、建築や彫刻は素晴らしかった。だが、ルネサンスの精華のあるヴァチカン美術館を除いては、絵画で強いイン…

ホロヴィッツのシューマン

3月あたりから、クラシックはシューマンばかりを聴いています。 この数日聴いていたのは、ホロヴィッツの60年代の録音を集めたCD。『子供の情景』『クライスレリアーナ』『アラベスク』『花の曲』などが入っています。シューマン:子供の情景/クライスレリア…

イタリア・バロックの画集

最近読んで入るこのシリーズ。 名画への旅(11) バロックの闇と光名画への旅(11) バロックの闇と光―17世紀1作者: 岡田裕成,高橋裕子,石鍋真澄,宮下規久朗,浦上雅司,森田義之,高橋達史出版社/メーカー: 講談社発売日: 1993/12/01メディア: 大型本この商品を含…

五月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 5/5 『高丘親王航海記』 澁澤龍彦 5/17 シャガール展/愛知県美術館 5/25 『悲しき熱帯〈1〉』 レヴィ=ストロース 5/29 『ひらがな日本美術史〈4〉』 橋本治 『イタリア・バロック―美術と建築』 宮下 規久朗高丘親王航海記 (文…

四月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 4/6 『サン・ピエトロが立つかぎり―私のローマ案内』 石鍋 真澄 4/13 『近松門左衛門 『曽根崎心中』『けいせい反魂香』『国性爺合戦』ほか』 4/18 『昼下りの情事』 ビリー・ワイルダー 4/20 『飢餓海峡』 内田吐夢サン・ピエ…

ピエール=オーギュスト・ルノワール

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの想い出 西洋絵画、いやあらゆる芸術作品の中でも、もっとも人口に膾炙した作品のひとつである、ムーラン・ド・ラ・ギャレット。 中学校に入学したばかりのとき、美術の教科書でこの絵を見た瞬間、私をとりかこむ、閉じられた…

三月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 3/2 『東南アジア美術史』 伊東照司 3/8 『聞いて読むドイツの詩』 野村修 3/9 『わが父ルノワール』 ジャン・ルノワール 3/23 『百年のフランス詩』 山田兼士 3/30 『江戸絵画入門―驚くべき奇才たちの時代』 河野元昭東南アジ…

二月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 2/9 北斎/名古屋ボストン美術館 2/11 『現代思想のパフォーマンス』 難波江和英、内田樹現代思想のパフォーマンス (光文社新書)作者: 難波江和英,内田樹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2004/11/13メディア: 新書購入: 5人 ク…

一月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 1/4 『北の無人駅から』 渡辺一史 1/7 『竹田教授の哲学講義21講―21世紀を読み解く』 竹田青嗣 1/31 『東京家族』 山田洋次北の無人駅から作者: 渡辺一史,並木博夫出版社/メーカー: 北海道新聞社発売日: 2011/11/01メディア: …