2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

一〇月に読んだ本・観た映画

ブログに書いた作品のほか、一〇月は以下の作品を鑑賞した。 10/2『美しき町・西班牙犬の家 他六篇』 佐藤春夫 10/5『馬喰一代』 中山正男 『ヘッセ詩集』 ヘルマン・ヘッセ 10/8『口笛が流れる港町』 斎藤武市 10/11『ギターを持った渡り鳥』 斎藤武市 10/1…

『シンス・イエスタデイ』 F・L・アレン

2009/10/25読了 今年の夏に読んだ『オンリー・イエスタデイ』の続編となる本書だが、前作が大衆の生活の描写に力点を置いていたのに対し、本作は政治・経済などより大枠のものに多くの部分が与えられている。 それは、一九三〇年代のアメリカ生活の中心は明…

『村上春樹『1Q84』をどう読むか』

2009/9/27読了 僕らだけじゃなくて、メディアの二次三次情報にとどまらず、信者と接触したり直接調べた人は皆同じものを感じていると思うけど、まず信者たちの邪気のなさですよね。それが一番のポイントだと思います。あの凶悪な事件と彼らの性質とのブレに…

『音楽の聴き方』 岡田暁生

2009/10/11読了 自分の聴き方に自覚的になること いずれにせよ私たちは、他のどんな芸術にも増して音楽体験は、こうした生理的な反応に左右されやすいことを、よく自覚しておいた方がいい。「自分はこういうタイプのメロディーにぐっと来てしまうクセがある…

『約束された場所で』 村上春樹

2009/10/4読了 元信者の視点から ――終末というのは要するに、今ここにあるシステムが全部チャラになってしまうことですね。 リセットですよね。人生のリセット・ボタンを押すことへの憧れ。たぶん僕はそういうことを思い描くことによって、カタルシスという…

『現象学入門』 竹田青嗣

2009/9/13読了 現象学的還元とは 現象学的「還元」とは「事象それ自身に立ち戻ることだ」とか、「純粋意識」の場面に立つことだ、などという言い方がある。これらの言い方はまったく誤りではないにせよ、極めてあいまいであり、かつ誤解を呼びやすいものだ。…