2021-01-01から1年間の記事一覧

十二月に鑑賞した作品

12/2 『縛り首の木』 デルマー・デイヴィス12/8 『ブラック・レイン』 リドリー・スコット12/9 『ベートーヴェンとピアノ 「傑作の森」への道のり』 小山実稚恵/平野昭 12/10 『決斗!一対三』 ラオール・ウォルシュ12/11 『マトリックス』 アンディ・ウォ…

十一月に鑑賞した作品

11/2 『汚れた英雄』 角川春樹11/4 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 ガス・ヴァン・サント11/9 『天国にいちばん近い島』 大林宣彦11/12 『卒塔婆小町』 観世清和11/23 『山猫 完全復元版』 ルキノ・ヴィスコンティ11/25 『音楽家の伝記 はじめに…

十月に鑑賞した作品

10/5 『駅馬車』 ジョン・フォード10/7 『愛情物語』 角川春樹10/12 『キャバレー』 角川春樹10/15 『アパッチ砦』 ジョン・フォード 『怪奇小説精華』 東雅夫10/19 『早春物語』 澤井信一郎10/22 『黄色いリボン』 ジョン・フォード10/26 『人間の証明』 佐…

『西部劇論 その誕生から終焉まで』吉田広明 4/4

・六〇~七〇年代には、アメリカなるものについて、疑義を呈する西部劇として、一連の「アッシド・ウエスタン」が作られる。西部劇には活劇志向とアメリカを問う自制的傾向があり、後者は四〇~五〇年代で言えばノワール、六〇~七〇年代で言えばカウンター…

『西部劇論 その誕生から終焉まで』吉田広明 3/4

・西部劇が、西部にとっての「イメージ」、神話となった時、西部劇はみずからの根拠を問い直し、拡張的であり未来志向である方向性を転換し、内向きになる。そのような時期に、叙情的な作品を得意とするニコラス・レイは西部劇と出会い、『無法の王者ジェシ…

『西部劇論 その誕生から終焉まで』吉田広明 2/4

・古典的西部劇の世界では、初期西部劇のような「グッド・バッド・マン」は存在し得ない。『駅馬車』のリンゴーは最後のグッド・バッド・マン、時代錯誤的な存在であり、それゆえに去らねばならない運命にある。彼には、古典的西部人のもつ苦さがなく、存在…

『西部劇論 その誕生から終焉まで』吉田広明 1/4

昨年から、BSプレミアムで週1回放送されている西部劇映画。最初は、「なぜ今更西部劇?」とも思っていたが、今までこのジャンルをあまり見ていなかったこともあり、継続的に見続けている。 BSプレミアムの映画で、同じジャンルの映画を1年以上にもわたって…

九月に鑑賞した作品

9/1 『アンダーグラウンド』 エミール・クストリッツァ9/3 『復活の日』 深作欣二9/7 『地獄への逆襲』 フリッツ・ラング9/9 『麻雀放浪記』 和田誠9/14 『彼のオートバイ、彼女の島』 大林宣彦9/16 『陽のあたる場所』 ジョージ・スティーヴンス9/21 『メイ…

八月に鑑賞した作品

8/3 『ダイヤルMを廻せ!』 アルフレッド・ヒッチコック8/5 『西部の男』 ウィリアム・ワイラー8/24 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』 庵野秀明8/26 『野生の証明』 佐藤純彌

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 4/4

第四巻『肉の告白』 ・初期の教父であるクレメンスと、その二世紀後のアウグスティヌスの間には、性的関係の倫理を「自然化する」傾向があるヘレニズム化した、ストア派的なキリスト教と、厳格でよりペシミスティックで、人間の本性を堕落という視点からしか…

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 3/4

第三巻『自己への配慮』 ・ローマ帝国の時代には、性的関係をいろんな方面に広げることに不安を覚えるようになり、婚姻関係に集中しようとする傾向が出てきて、それが結果的に、婚姻・禁欲を重視するキリスト教道徳に近づいていく。(252) ・生活から余分なも…

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 2/4

第二巻『快楽の活用』 ・ストア派の哲学者、アレタイオスの著作からは、性を浪費すると体が衰弱するので控えるべきという教訓が述べられる。これは健康上の理由だが、キリスト教時代には信仰上の理由に変更したうえで、引き続き性交の抑制が推奨される。そし…

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 1/4

「性」に関する過剰な言説と、生権力の強化が継続的に続く現代。それが発生した経緯を、古代~初期キリスト教時代にまでさかのぼって解き明かしたのが、この「性の歴史」シリーズだが、現代に対する明確な処方箋が述べられているわけではない。むしろ「系譜…

七月に鑑賞した作品

7/1 『土蜘』 尾上松緑、市川猿之助7/2 『伊勢物語 在原業平 恋と誠』 髙樹 のぶ子7/3 『松田聖子と中森明菜 増補版 一九八〇年代の革命』 中川右介7/6 『見知らぬ乗客』 アルフレッド・ヒッチコック7/7 『戦う幌馬車』 バート・ケネディ ※途中まで7/8 『三…

『小説伊勢物語 業平』高樹のぶ子

伊勢物語に興味を持ったのは、高校の古文の授業で、「芥川」と「渚の院」を読んだ時だった。古文の授業は文法や現代語訳の負担が大きく、内容を味わうことはあまりできなかったが、「芥川」のふしぎな雰囲気、「渚の院」のセンスあるタイトルも含めた味わい…

六月に鑑賞した作品

6/3 『恋する伊勢物語』 俵万智 『リズと青い鳥』 山田尚子6/8 『拳銃王』 ヘンリー・キング 『SMAPと平成』 中川右介 マイルス・デイヴィス・シリーズ終了6/13 『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』 ステファニー・アルゲリッチ6/15 『バニー・レークは行方…

『江戸にフランス革命を』橋本治 5/5

最後に、東洲斎写楽と葛飾北斎という二人の画家について。 この二人から感じる強烈な個性の原因はどこにあるか? たしかに、納得。 ・・・・・・ もっと正確に言えば、ファンというものは、まだ"客観性"などというものを持たずにすんでいるようなものだから…

『江戸にフランス革命を』橋本治 4/5

次は、橋本治による江戸絵画論とその明治における変質について。 江戸に人間が当然としたもの、愛したものは「豊かに拡がる虚構」「風景の中の人生/人生としての風景」。それに対するものとして、事実はこうであると決めつける「活歴、実録」、名所としての…

『江戸にフランス革命を』橋本治 3/5

次の文章は、「江戸はなぜ難解か?」という、かなり長いエッセイに書かれたもの。話は著者の気分にまかせてあちこちに飛ぶが、江戸の人間のかしこさや知恵と、そのかしこさに気づかない愚かしさが書かれている。 世の中を一気に変えることはしない、世間知を…

『江戸にフランス革命を』橋本治 2/5

引用した文章からは、その後『ひらがな日本美術史』で展開される橋本治の思想が読み取れる。 例えば、歌舞伎で過去の歴史的人物の話が、江戸の人間にとって「リアリズム」であるというのは、宇宙人のような土偶の顔が、古代の人間にとってリアルなものであっ…

『江戸にフランス革命を』橋本治 1/5

橋本治的に、江戸文化はどのように見えるか? 著者の近年の文章に比べれば、あまり明確ではなく、橋本治という人間を知ったうえでなければ、理解しづらい個所も多い。むしろ、その文章から、橋本治の思想を感じるというのが、この本の読み方なのかもしれない…

五月に鑑賞した作品

5/2 『ルートヴィヒ・B』 手塚治虫5/3 『荒野の七人』 ジョン・スタージェス5/4 『ファンタスティック・プラネット』 ルネ・ラルー5/7 『新プロパガンダ論』 辻田真佐憲/西田亮介5/11 『さすらいのカウボーイ』 ピーター・フォンダ5/13 『ラ・ブーム』 ク…

四月に鑑賞した作品

4/3 『群盗荒野を裂く』 ダミアーノ・ダミアーニ4/6 『踊る大紐育』 ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン4/7 『ふしぎなキリスト教』 橋爪大三郎/大澤真幸4/10 『ネバダ・スミス』 ヘンリー・ハサウェイ4/13 『Wの悲劇』 澤井信一郎4/18 『チャップリン…

三月に鑑賞した作品

3/2 『リオ・ブラボー』 ハワード・ホークス ※途中まで3/3 『キッド』 チャールズ・チャップリン3/7 『チャップリンの黄金狂時代』 チャールズ・チャップリン3/9 『船弁慶』 金春流3/11 『シックス・センス』 M・ナイト・シャマラン3/16 『真夏の夜の夢』 …

二月に鑑賞した作品

2/2 『さまよえるオランダ人』 ポール・カラン演出 ※途中まで 2/4 『三人の名付親』 ジョン・フォード 2/10 『ドクトル・ジバゴ』 デヴィッド・リーン 2/12 『昼下りの決斗』 サム・ペキンパー 2/16 『夕陽のガンマン』 セルジオ・レオーネ 2/19 『女殺油地…

一月に鑑賞した作品

1/1 『東山魁夷(別冊太陽 日本のこころ)』 1/5 『伊豆の踊子』 西河克己 1/7 『七人の無頼漢』 バッド・ベティカー 1/8 『谷内六郎展覧会(冬・新年)』 1/12 『100万ドルの血斗』 ジョージ・シャーマン 『マイルス・デイヴィス自伝』 マイルス・デイヴィ…