2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

熊座の淡き星影/ヴィスコンティ

2007/1/28鑑賞 ギリシア悲劇『エレクトラ』を翻案したというヴィスコンティの作品。母の再婚相手である義父を憎む女性・サンドラと、彼女に近親相姦的愛情を持つ弟のジャンニが物語の中心となる。全編にピアノがBGMとして流れ、退廃的な映像が続く。次の…

カルメン/パリ・オペラ座バレエ団

2007/1/28鑑賞 カルメン・・・・クレールマリ・オスタ ドン=ホセ・・・ニコラ・ル・リッシュ ビゼーのオペラ『カルメン』をモダンバレエにアレンジした作品。クラシック作品とは衣装・振付等でかなり違いがある。寝室の場面での演出はかなり官能的。

新文学入門/大橋洋一

2007/1/26読了 (近代的作者の誕生について)「それまでの中世の作者というのは、自らの外に現前する権威を拠り所とし、過去の、既存の権威というものと密接な関係にあったのですが、近代的作者は、自らの内に蓄積された経験を権威として、未来の可能性ある…

街道をゆく「沖縄・先島への道」/司馬遼太郎

2007/1/26読了 「古代の漢民族は、自分たちと他者を区別するのに敏感だった。かれらは、ある種の風体と、肉体的特徴と、そして非漢民族的な生産文化を持った連中を指して、倭とか倭人とかと称した。この呼称のほうがずっと気楽で、これを称するだけで、精神…

街道をゆく「大徳寺散歩」/司馬遼太郎

2007/1/24読了 「(清潔と美の)二つの意味において大徳寺境内は伊勢神宮とならぶきれいさといっていい。もっとも、伊勢神宮の場合、清潔を主題としてその空間ができあがっているのに対し、大徳寺は、本来ごたごたした仏教寺院を、掃ききよめ、洗いきよめる…

ジゼル/ミラノ・スカラ座バレエ団

2007/1/17鑑賞 ジゼル・・・・・・スヴェトラーナ・ザハーロワ アルブレヒト・・・ロベルト・ボッレ ザハーロワは1幕、2幕とも、可憐な印象を受ける。ボッレは「踊るギリシア彫刻」と形容されているが、全体的に明るく、癖が無い。

『悪霊』神になりたかった男/亀山郁夫

2006/1/14読了 (9・11の同時多発テロを「芸術的」と評した音楽家に対して)「では、音楽家は、みずからの内面にきざしている「狂気」に、あえて言いましょう、スタヴローキン的な狂気、スタヴローキン的なニヒリズムの存在に気づいてはいなかったのでし…

文学とは何か/イーグルトン

2007/1/14読了 「外的世界に汚されることなく、何も意味することのない独り言という考え方は、現象学そのものに実にぴったりのイメージである。人間の営為と経験からなる「生活世界」を、伝統的な哲学の残酷な束縛から解き放つのだというその主張にもかかわ…

イタリア(澁澤龍彦)

「私は、道一つ隔てたホテルの右隣りの公園ヴィラ・ジュリアにきて、初めて私の夢想のパレルモを見出したと思った。あとで気がついたのだが、ゲーテがパレルモ滞在中、毎日のように通ってきては、「物静かな楽しい時間」を過ごし、彼の心に以前から漠然と思…

イタリア(塩野七海)

「何回もいうようだが、ローマは、いわゆるインテリには向いていない。自らの本質を充分にふまえて、そのうえで自分はいったい何が欲しいのかということを知っている人の情熱には応じてくれるが、時代の先端を行くことや、前衛前衛とばかりに気を使っている…

マックス・ウェーバー入門/山之内靖

2007/1/6読了 「すなわち、高利貸し、戦争請負業者、官職ならびに租税の請負業者、大金融業者といった、資本主義と言ってよい経営のタイプは、人類史の非常に古くから、いろいろな地域に現れています。それらは、形態上は資本主義であるけれども、宗教改革期…

コスモポリタンズ/モーム

2007/1/6読了 半分程度まで読んだが、パリからの飛行機の中に置き忘れてしまった。コスモポリタンズというタイトル通り、旅に出ている身でしか読めない本なのかもしれない。 「ある紳士の自画像」が印象に残る。主人公が京城で見つけたポーカーの指南本から…