2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

九月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 9/1 『少年愛の美学』 稲垣足穂 9/10 『戦火のかなた』 ロベルト・ロッセリーニ 9/15 『ラ・ラ・ランド』 デイミアン・チャゼル 9/17 つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む 9/19 『神の道化師、フランチェスコ』 ロベルト・ロ…

『ひらがな日本美術史2』 橋本治 3/3

狩野正信筆「山水図」 現代の我々には、もう狩野派の絵がピンとこない。現代の我々は、「中国の山の中にいる浮世離れのした中国人の姿」を、人間のあり方の理想だとは思わないから、ここに確固として存在する″主題の明確さ″が理解出来ないのであるが、しかし…

『ひらがな日本美術史2』 橋本治 2/3

藤原豪信筆「花園天皇像」 似絵というのは、豪信の辺りで途絶えてしまった、王朝由来のリアリズムの流れなのである。「この人間の顔の描き方は肖像画としてウンヌン」などというつまらない詮索をしないで、素直に、その筆の美しさを見ればよいのだ――そうすれ…

『ひらがな日本美術史2』 橋本治 1/3

「平治物語絵巻」 優雅な王朝の時代にも″むくつけき男の欲望″はあった。それが隠されたまま存在していて、院政時代になって芽を出してくる。″戦争″とはそれである。″戦争=男の徳望″が当たり前の武士の時代になって、それを描く技術、あるいはそれを「当たり…