2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

世界悪女物語/澁澤龍彦

2008/6/17-7/30 世界の名だたる悪女を題材にしたエッセイ集であるが、興味深いのはその人選であろう。 「ルクレチア・ボルジア(十五世紀イタリア)」「エルゼベエト・バートリ(十七世紀ハンガリア)」「ブランヴィリエ侯爵夫人(十七世紀フランス)」「エ…

今日からデジカメ写真がうまくなる/九門易

2008/7/19-7/24 旅行に行ったときにきれいな写真をとるコツが知りたくて読んでみたが、技術的なこと以外にも、広告写真が作られるカラクリや、カメラマンと被写体・鑑賞者の関係など、写真芸術論的な内容も面白かった。 たとえば、ポートレートを撮ることに…

不可能性の時代/大澤真幸

2008/7/5-7/19 〈不可能性〉とは何か 「〈不可能性〉とは、〈他者〉のことではないか。人は、〈他者〉を求めている。と同時に、〈他者〉と関係することができす、〈他者〉を恐れてもいる。求められると同時に、忌避もされているこの〈他者〉こそ、〈不可能性…

あらくれ/成瀬巳喜男

2008/7/16-18 徳田秋声の原作を映画化。大正初期を舞台に、高峰秀子演じる女性が、さまざまな男と出会い別れるという、ありふれていると言えばありふれたモチーフの作品。にもかかわらず、やっぱり当時の名作はいいな、と感じる作品だった。 アマゾンのある…

クレールの膝/エリック・ロメール

2008/7/13-14 結婚を直前に控えた男が、二人の少女と「実験としての恋愛」をする、という話。 男はとくに、二人目の少女クレールの膝に非常な魅力を覚えるが、雨やどりの小屋で彼女の膝をなでまわしたあと、少女たちへの恋愛感情はなくなり、現実の結婚へと…

テヅカ・イズ・デッド/伊藤剛

2008/6/28-7/11 「キャラ」と「キャラクター」 筆者はこの二つを次のように定義している。 キャラ:「多くの場合、比較的に簡単な線画を基本とした図像で描かれ、固有名で名指しされることによって(あるいは、それを期待させることによって)、「人格・のよ…