2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月に鑑賞した作品

8/3 『ダイヤルMを廻せ!』 アルフレッド・ヒッチコック8/5 『西部の男』 ウィリアム・ワイラー8/24 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』 庵野秀明8/26 『野生の証明』 佐藤純彌

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 4/4

第四巻『肉の告白』 ・初期の教父であるクレメンスと、その二世紀後のアウグスティヌスの間には、性的関係の倫理を「自然化する」傾向があるヘレニズム化した、ストア派的なキリスト教と、厳格でよりペシミスティックで、人間の本性を堕落という視点からしか…

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 3/4

第三巻『自己への配慮』 ・ローマ帝国の時代には、性的関係をいろんな方面に広げることに不安を覚えるようになり、婚姻関係に集中しようとする傾向が出てきて、それが結果的に、婚姻・禁欲を重視するキリスト教道徳に近づいていく。(252) ・生活から余分なも…

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 2/4

第二巻『快楽の活用』 ・ストア派の哲学者、アレタイオスの著作からは、性を浪費すると体が衰弱するので控えるべきという教訓が述べられる。これは健康上の理由だが、キリスト教時代には信仰上の理由に変更したうえで、引き続き性交の抑制が推奨される。そし…

『フーコー<性の歴史>入門講義』仲正昌樹 1/4

「性」に関する過剰な言説と、生権力の強化が継続的に続く現代。それが発生した経緯を、古代~初期キリスト教時代にまでさかのぼって解き明かしたのが、この「性の歴史」シリーズだが、現代に対する明確な処方箋が述べられているわけではない。むしろ「系譜…