2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

十二月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 12/1 『大いなる幻影』 ジャン・ルノワール 12/2 『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』 アービン・カーシュナー 12/6 『ゲームの規則』 ジャン・ルノワール 12/15 『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』 リチャード・マーカンド 1…

『恋愛のディスクール・断章』はどう読むべきか? −『ロラン・バルト (シリーズ 現代思想ガイドブック)』2/2

『恋愛のディスクール』は、バルトによる快楽主義の実践と言える。彼はこの本で、恋愛を様々な要素に分解し、科学する態度をとる。しかし、ともすれば安直な内容になりがちな方法で著されたこの本から、私たちは皮相なものを受けとることはない。 恋する主体…

『恋愛のディスクール・断章』はどう読むべきか? −『ロラン・バルト (シリーズ 現代思想ガイドブック)』1/2

昨年から、ことある度に読んでいる、ロラン・バルトの『恋愛のディスクール・断章』。文体もきれいだし、内容も恋愛にまつわる様々がちりばめられていて、自分にも思いあたることも多く面白いのだが、なかなかバルトの考え方がつかめない。 そのために、副読…

絶望的だけどあたたかい、不思議なお話 『かもめ・ワーニャ伯父さん』2/2

作品を支配する「暗さ」や「かなしみ」がどこからきているかといえば、それはこの生活から抜け出したくても抜け出さない、という虚無感なのだろうと思う。 食べていけるだけの生活はできている。家族も仲間もいる。でも毎日同じことの繰り返し。会話といえば…

かなしい喜劇 『かもめ・ワーニャ伯父さん』1/2

チェーホフが晩年に発表した四大喜劇のうち、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』を読んだ。 一般に、チェーホフの四大喜劇は、先に発表されたものほど暗く、後半になるほど、希望が大きくなるといわれている。今回呼んだ二作は、その一番目、二番目の作品である…