2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

十一月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 11/1 『エイリアン』 リドリー・スコット 11/8 『お気に召すまま』 パウル・ツィンナー 11/5 『じゃじゃ馬馴らし』 サム・テイラー 11/23 『恐怖の報酬』 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー

モーツァルトと二人の批評家 4/4

小林秀雄氏のモオツァルト論は、確かに格好いい。こんな切れ味の良いクラシック評論は、なかなかお目にかかれるものではない。 だが、同時に、モーツァルトとは、そのような重厚な論じ方をされるべき作曲家なのだろうかとも思うのだ。その音楽は、もう少し軽…

モーツァルトと二人の批評家 3/4

楽理の知識と、豊かな文学的教養に基づいた吉田秀和氏のモーツァルト論。それに比べて、小林秀雄氏のモーツァルト理解は、一面的なのだろうか? 昭和二十一年に発表された、小林氏の代表作『モオツァルト』を読み直してみる。ケレン味溢れる言い回しのなかで…

モーツァルトと二人の批評家 2/4

では、吉田氏の好んだモーツァルトの作品は、どのようなものだったのか?先の評論を読めば、氏の趣味が良く理解できる。 たとえば、「モーツァルト的」と言えるような響きをもつ、ピアノ・ソナタ十三番と十五番(旧十八番)。十三番は、ギャラント・スタイル…

モーツァルトと二人の批評家 1/4

疾走する悲しみ。モーツァルトの音楽を表現するために、小林秀雄氏が使用した言葉は、あまりに人口に膾炙している。しかし、モーツァルトの作品世界は、このひとつの言葉に集約するには、あまりに多様性を帯びているだろう。 吉田秀和氏は、音楽評論を書くよ…