2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 5/19 デザインあ展 in TOYAMA/富山県美術館 5/23 『火垂るの墓』 高畑勲 5/25 『世界服飾史』 『霧の波止場』 マルセル・カルネ 5/29 『英国王のスピーチ』 トム・フーパー

新ヴィーン楽派を聴いて

ここ数か月間、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンといった、いわゆる「新ウィーン楽派」の音楽を聴いていた。 ごく簡単に印象を言えば、シェーンベルクは無調以前の「浄夜」はもちろんのこと、無調以降の音楽も耽美的で比較的たのしめる。ベルクは、劇的…

『イタリア・ルネサンスの文化1』 ブルクハルト 5/5

この本の時代背景 名著と呼ばれる『イタリア・ルネサンスの文化』であるが、議論を鵜呑みにしないためにも、この本の時代背景を意識しておく必要がある。これについては、訳者が適切に解説しているので、備忘までに引用しておく。 かれが、ヨーロッパにおけ…

『イタリア・ルネサンスの文化1』 ブルクハルト 4/5

この古代崇拝に関して、ブルクハルトは肯定・否定両面の考えを持っているようだ。否定面としては、次のような意見が述べられる。 (古典的古代を一面的に重んずる風潮にたいするピーコの批判を引用して)「われわれは、字句の末にこだわる者たちの学校にでは…

『イタリア・ルネサンスの文化1』 ブルクハルト 3/5

古代崇拝の時代 ルネサンスにおける古代の復活。これについても、ブルクハルトはその原因を明確に述べることはしない。著者は、当時の古代崇拝の様相を、どちらかといえば戯画化して語る。 個々の都市の歴史書は、昔から、真偽とりどりのローマとの関係や、…

『イタリア・ルネサンスの文化1』 ブルクハルト 2/5

ルネサンス期の「個人」 そのような社会の中で、個人もまた変化していく。ブルクハルトは直接書いてはいないが、当時のようなきつい社会を生き抜くために、社会を観察する眼が養われたこと、そのことが、個人の精神的な自立を促したことが語られている。 中…

『イタリア・ルネサンスの文化1』 ブルクハルト 1/5

人文科学の創始者と言われる著者が、イタリア・ルネサンス文化を論じた二巻構成の本。第一巻では、国家や個人を取り巻く状況から、古代崇拝が生まれるまでの状況が語られる。 「芸術作品としての国家」 当時の国家を取り巻く状況は、フランス、スペインの脅…