フリーダ・カーロ 1/2

台湾のフリーダ・カーロ

昨年台湾の高雄を旅行したとき、美術館でモナリザ展、そしてモナリザMIT(Made in Taiwan)という展覧会が開かれていた。モナリザMITは、台湾のアーティスト10組が、モナリザをテーマにした作品を発表したものであり、モナリザ展とともに思いのほか充実した内容であった。
そのなかで最も印象に残った作品が、キャラクター化されたモナリザフリーダ・カーロ、そして東アジアの民族衣装を着た女性が縦一列に並んでいる作品である。
作品のとなりには、中国語と英語で記された作者の解説があり、「モナリザの魂は400年を超えてフリーダ・カーロに受け継がれた。しかし、アジアはまだその魂を持っていない」のような趣旨の文書があり、最後にWe need contemporary renaissance と締めくくられている。
それが、私がフリーダを意識した最初のときだったと思う。

フリーダに魅せられる人びと

フリーダに関心を持ち、彼女の作品を愛好する人は多い。しかし、そのきっかけはさまざまである。
たとえば、彼女の人生や恋愛に共感する人。これは、同性に多いのではないだろうか。
また、ファッション・アイコンとしてのフリーダに魅力を覚える人。事実、メキシコの民族衣装を着飾ったフリーダは、当時のアメリカのファッション雑誌の表紙を飾ったこともあった。
美術史の勉強から、カーロの作品に興味を持つ人ももちろんいるだろう。
そして、これらのことを抜きに作品のそのものに衝撃を受けた人。今回、フリーダのことを調べるにために読んだ本の著者である堀尾真紀子さんも、フリーダとそのような出会いをした方であった。