2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
今月は以下の作品を鑑賞した。 6/14 『ひらがな日本美術史3』 橋本治 6/17 『チェーホフを楽しむために』 阿刀田高 6/24 『寂しさの力』 中森明夫
一九七〇年代後半以降のバルトは、それまでとはすこし毛色の違ってくる。もともと硬派な印象が強いわけではないのだが、われわれが「ロラン・バルト」という固有名詞から受ける、耽美的で、少し退廃的な趣もある感覚は、この頃の思想にもっとも現われている…
この本では、バルトの作品の紹介は最小限にとどめられているが、彼の理論は、部分部分で要領よくまとめられている。用語の整理や備忘も兼ね、一部を引用しておきたい。 エクリチュール 彼の説明によれば、エクリチュールは作家にとって選択の場であり、規範…
人間の性格を、その作品と結びつけることは、バルトが戒めていたことである。しかし、著者が紹介する次のエピソードを読めば、バルトの理論もまた、ひとりの人格としてのバルトから作りだされたことが、見てとれるであろう。 学生時代のエピソード バルトは…
プルースト まずは、学生時代やデビューする前のバルトを扱った内容から。 彼にとって重要な作家となるプルーストとの出会い。 彼の生涯において決定的な役割を演ずることになる作家、マルセル・プルーストを発見するのも、十六歳のときの、この同じ夏休みで…
昨年の夏に読んだ、鈴木和成氏によるバルト解説書で勧められていた本書。鈴木氏は、広大なバルトの世界で道に迷わないための道しるべとして、本書を勧めていた。 そのため、バルトの作品解説は最小限にとどめられており、むしろバルトの生涯、彼がどのような…