2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ムラヴィンスキーのチャイコフスキー(交響曲第六番)

ブラームスの第四番とともに、ロマン派の最後をかざる最高傑作。第一楽章のコーダを聴けば、誰しもチャイコフスキーの達観を感じるだろう。 しかし、この作品が発表された「時代」を考えてみると、また違った印象を覚える。 チャイコフスキーの最後の交響曲…

ムラヴィンスキーのチャイコフスキー(交響曲第五番)

この交響曲の魅力を一言でいえば、「中庸」ということになるだろうか。個性が強い四番や六番に比べ、落ち着いたところのある五番。ただし、演奏会で取り上げられる頻度が決して低くはないことからも分かるとおり、決して地味だったり、印象のうすい作品では…

『村上春樹 イエローページ1・2』 加藤典洋

前回この本を読んだのが2008年と2009年。約6年ぶりの読書となるが、この間2回転職したり、海外に引っ越したりした。そう考えると、6年という時間は、けっして短くは無いものだと思う。 - 再読するにあたり、「内閉」というテーマが常に頭の中にあった。『イ…