2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

十一月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 11/3 『崖の上のポニョ』 宮崎駿 11/13 『フィガロの結婚―魔笛/ドン・ジョバンニ/セビリアの理髪師』 里中満智子 11/23 『この世界の片隅に』 片渕須直

青くささと、恋愛を想像する楽しさと ―『ティファニーで朝食を』 2/2

カポーティの人間観も文章のなかから垣間見られる。ただ、若い頃の作品のせいか、その人間観からは少し青くささも感じられる。もしかしたら、その青さこそが魅力的なのかもしれないけれど。 我々の大方はしょっちゅう人格を作り直す。身体だって数年ごとに完…

かなしいお話に触れたくて ―『ティファニーで朝食を』 1/2

最近さみしいな、と感じることが多いせいか、悲しかったり、切なかったりするお話に触れたくなる。『ティファニーで朝食を』もそれがきっかけで読んだ本。映画が少し悲しい物語だったので、原作も読んでみようと思った。 印象は、やっぱり映画どおりというわ…

モーツアルトのピアノソナタ

フリードリヒ・グルダ そういう軽く明るい音に加えるのに、グルダは、非の打ちどころのない技術の卓越の上に、非常によく流れるが、控え目でインティメントな音楽を作る。これは、告白型または激情型のダイナミズムとは違い、羞恥に満ちたといってもよいくら…

ファリャ −「クラシック音楽化」されたスペイン−

ファリャのバレエ音楽『三角帽子』『恋は魔術師』を聴いた。明るい空、怪しげな夜、叙情...。その音楽は誰が聞いたとしても、スペインの色彩を感じるだろう。 この作曲家はスペインで生まれ育ったのち、パリに出てドビュッシーやラヴェルの音楽を学んだ。…