2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

六月に鑑賞した作品

6/3 『恋する伊勢物語』 俵万智 『リズと青い鳥』 山田尚子6/8 『拳銃王』 ヘンリー・キング 『SMAPと平成』 中川右介 マイルス・デイヴィス・シリーズ終了6/13 『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』 ステファニー・アルゲリッチ6/15 『バニー・レークは行方…

『江戸にフランス革命を』橋本治 5/5

最後に、東洲斎写楽と葛飾北斎という二人の画家について。 この二人から感じる強烈な個性の原因はどこにあるか? たしかに、納得。 ・・・・・・ もっと正確に言えば、ファンというものは、まだ"客観性"などというものを持たずにすんでいるようなものだから…

『江戸にフランス革命を』橋本治 4/5

次は、橋本治による江戸絵画論とその明治における変質について。 江戸に人間が当然としたもの、愛したものは「豊かに拡がる虚構」「風景の中の人生/人生としての風景」。それに対するものとして、事実はこうであると決めつける「活歴、実録」、名所としての…

『江戸にフランス革命を』橋本治 3/5

次の文章は、「江戸はなぜ難解か?」という、かなり長いエッセイに書かれたもの。話は著者の気分にまかせてあちこちに飛ぶが、江戸の人間のかしこさや知恵と、そのかしこさに気づかない愚かしさが書かれている。 世の中を一気に変えることはしない、世間知を…

『江戸にフランス革命を』橋本治 2/5

引用した文章からは、その後『ひらがな日本美術史』で展開される橋本治の思想が読み取れる。 例えば、歌舞伎で過去の歴史的人物の話が、江戸の人間にとって「リアリズム」であるというのは、宇宙人のような土偶の顔が、古代の人間にとってリアルなものであっ…

『江戸にフランス革命を』橋本治 1/5

橋本治的に、江戸文化はどのように見えるか? 著者の近年の文章に比べれば、あまり明確ではなく、橋本治という人間を知ったうえでなければ、理解しづらい個所も多い。むしろ、その文章から、橋本治の思想を感じるというのが、この本の読み方なのかもしれない…