2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

九月に鑑賞した作品

9/1 『遙かなる山の呼び声』 山田洋次 9/5 『ひらがな日本美術史7』 橋本治 9/8 『アイアンマン』 ジョン・ファヴロー 9/15 『ハワイ・マレー沖海戦』 山本嘉次郎 9/20 『幻想文学入門』 東雅夫 9/30 『大いなる西部』 ウィリアム・ワイラー

『抽象の力』岡崎乾二郎 3/3

芸術と文明 防災と国防のパラドックス 寺田寅彦にとって自然の変化は不可避である。その変化は必然であって、そうである限り決して予期せざる惨事とはなりえない。災害とは、人間の認識そして、それに基づく制度が、その変化への対応を間違えるゆえに引き起…

『抽象の力』岡崎乾二郎 2/3

制作や鑑賞のプロセスを芸術とすること 芸術的経験 ヴァネッサ・ベルは平面的な模様(パターン)がそれだけで対象として芸術的な質を持つとは考えていない。彼女は平面的な模様に見えたものが運動(すなわち移行)し、視点が誘導され奥行き、空間を作りだす…

『抽象の力』岡崎乾二郎 1/3

昨年ベストセラーとなったこの本。といっても、さくさく読める、というわけではない。 内容的には、「現代の芸術運動は本来どのようなことを目指したか」「完成した作品ではなく制作や鑑賞のプロセスを芸術とすること」「芸術と文明」という三つのテーマが、…