2023-01-01から1年間の記事一覧

*十二月に鑑賞した作品

12/5 『この空の花 長岡花火物語』 大林宣彦 12/8 『戦場のメリークリスマス』 大島渚 12/12 『野のなななのか』 大林宣彦 12/13 『平成最後のアニメ論:教養としての10年代アニメ』 町口哲生 12/14 『ジョージ・バランシンのくるみ割り人形』 ニューヨーク…

*十一月に鑑賞した作品

11/1 『哀愁』 マーヴィン・ルロイ 11/8 『欲望という名の電車』 エリア・カザン 11/11 『訂正可能性の哲学』 東浩紀 11/14 『廃市』 大林宣彦 11/22 『青春デンデケデケデケ』 大林宣彦 11/28 『はるか、ノスタルジィ』 大林宣彦 11/30 『地上より永遠に』 …

*十月に鑑賞した作品

10/7 『精神分析の歩き方』 山崎孝明 10/10 『金田一耕助の冒険』 大林宣彦 10/17 『ねらわれた学園』 大林宣彦 10/25 『美女ありき』 アレクサンダー・コルダ

*九月に鑑賞した作品

9/5 『ザッツ・エンタテインメント PART2』 ジーン・ケリー 9/7 『眺めのいい部屋』 ジェームズ・アイヴォリー 9/12 『ぼくの映画人生』 大林宣彦 『帝都物語』 実相寺昭雄 9/14 『ゆきゆきて、神軍』 原一男 9/16 『ドゥルーズ+ガタリ<アンチ・オイディプ…

『<アンチ・オイディプス>入門講義』 仲正昌樹 5/5

社会とつながる無意識 ・社会に繋がった各人の無意識は妄想を介して、社会のいろいろな場に「備給=投資」されたり、脱備給されたりする。妄想は「隔離的segregatif/遊牧的nomadique」が潜在的に存在する二極で、それぞれが政治的に極端な方向に走ると、「…

『<アンチ・オイディプス>入門講義』 仲正昌樹 4/5

資本主義とエディプス ・大地機械、専制君主機械に続く資本主義機械では、社会の中で決まった役割を担っている人物や機関を、父や母(のようなもの)だと認識させる力が働く。例えば、職場や住んでいる都市や国家を家族的に捉えることになる。家族的なイメー…

『<アンチ・オイディプス>入門講義』 仲正昌樹 3/5

構造、機械、エクリチュール ・「構造」と「機械」の違い。交換主義的な発想は、「統計学的に閉じられた閉鎖システム」を要請し、「構造を心理的な確信(サイクルは閉じられるだろうという安心感)によってささえられること」を要求するが、負債ブロックの開…

『<アンチ・オイディプス>入門講義』 仲正昌樹 2/5

神話としてのエディプス・コンプレックス ・アンチ・オイディプス第二章では、フロイトの書簡などを根拠として、エディプス・コンプレックスがフロイト自身にとっても、普遍性を持ったものでなかったことが暴かれる。 ・エディプスを本質とする考え方は、血…

『<アンチ・オイディプス>入門講義』 仲正昌樹 1/5

機械としての身体 ・オイディプス・コンプレックスに限らず、人間の欲望はほぼ既定の発達経路を巡るのであり、ごく少数の人だけがその経路から見て無駄なところに欲望を向けている、という見方、常識に揺さぶりをかけるのが、この本の基本姿勢となる。(34) …

*八月に鑑賞した作品

8/1 『妹背山婦女庭訓 妹山背山の段』 8/2 『ブランド・ジュエリー30の物語 天才作家たちの軌跡と名品』 山口遼 8/3 『稲妻に打たれた欲望: 精神分析によるトラウマからの脱出』 ソニア・キリアコ 『カルメンという名の女』 ジャン=リュック・ゴダール 8/26…

『稲妻に打たれた欲望 精神分析によるトラウマからの脱出』 ソニア・キリアコ 3/3

この本の結論として、<他者>の被害者の立場に留まらず、自らの苦しみの責任を引き受けること、それによる重圧からの解放が説かれている。 …… ここにはひとつのパラドクスがある。つまり、人は自らの懊悩の重荷を背負う能力があればあるほど、その荷を降ろ…

『稲妻に打たれた欲望 精神分析によるトラウマからの脱出』 ソニア・キリアコ 2/3

アリスはこのように分析家に語ることで、幻聴によって強要された根本的孤立から抜けだした。それらの幻聴はいったんシニフィアンに翻訳されると、もはや純粋に現実的なものではなくなる。なぜなら、象徴的な次元と想像的な次元がそこに加わるからだ。このよ…

『稲妻に打たれた欲望 精神分析によるトラウマからの脱出』 ソニア・キリアコ 1/3

副題に記載されている通り、精神分析によるさまざまな症状からの回復事例を紹介した本。特に、以下の点がポイントとなる。 ・精神分析は、既定の治療法を適用すれば良いというものではなく、患者一人一人にむきあい、それぞれの解決策を考えていかなければな…

*七月に鑑賞した作品

7/4 『Blur No Distance Left to Run』 ウィル・ラヴレース、ディラン・ソーソーン 7/6 『ワン・プラス・ワン』 ジャン=リュック・ゴダール 7/11 『利口な女狐の物語』 アン・デア・ウィーン劇場 ステファン・ヘアハイム演出 7/13 『巴里祭』 ルネ・クレール 7…

*六月に鑑賞した作品

6/6 『さびしんぼう』 大林宣彦 6/8 『アルファヴィル』 ジャン=リュック・ゴダール 6/12 『メタバース進化論―仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』 バーチャル美少女ねむ 6/13 『ふたり』 大林宣彦 6/15 『ボーイズン・ザ・フッド』 ジョン…

『ドゥルーズの哲学原理』 國分功一郎 3/3

第Ⅴ章 欲望と権力 ドゥルーズは、フーコーの著作を言説的編成と非言説的編成の関係から読み解く。例えば『監獄の誕生』からは、「非行性」を巡って、両者が相互に影響し合いながら、対策が進められていくさまを読みとる。(186-191) フーコーにとって根源的…

『ドゥルーズの哲学原理』 國分功一郎 2/3

第Ⅲ章 思考と主体性 ドゥルーズは、『失われた時を求めて』のマドレーヌのエピソードに言及し、思考に向かう積極的意思を想定することを批判する。人がものを考えることがあるとすれば、それは、仕方なく、やむを得ず、強いられてのことでしかありえない。思…

『ドゥルーズの哲学原理』 國分功一郎 1/3

本の目的としては、ドゥルーズがいったいいかなる問いの系譜に自らを定位していたのか明らかにすることである。そうしなければ、彼の思想・哲学を見定めることはできない。(36) 第Ⅰ章 自由間接話法的ビジョン バディウの解釈では、ドゥルーズは常に具体的な…

*五月に鑑賞した作品

5/2 『パリ万国博覧会 サン=シモンの鉄の夢』 鹿島茂 5/9 『ニュー・ジャック・シティ』 マリオ・ヴァン・ピーブルズ 5/11 『小さな兵隊』 ジャン=リュック・ゴダール 5/12 『メタバースと経済の未来 』 井上智洋 5/16 『ドゥ・ザ・ライト・シング』 スパイ…

*四月に鑑賞した作品

4/1 『教養としての10年代アニメ』 町口哲生 4/11 『ゴダールと女たち』 四方田犬彦 4/28 『教養としての10年代アニメ 反逆編』 町口哲生

*三月に鑑賞した作品

3/20 『映像の原則』 富野由悠季 3/30 『ストーリーとしての競争戦略―優れた戦略の条件』 楠木建

*二月に鑑賞した作品

2/12 『現代アニメ「超」講義 』 石岡良治 2/16 『心が叫びたがってるんだ。』 長井龍雪

『ドゥルーズ 流動の哲学』宇野邦一 4/4

千のプラトー ・(『千のプラトー』の印象について)『アンチ・オイディプス』では、ひとつの巨大な卵のように、力強く波打って循環していた液状の熱い思考が、大気や大気圏外にさえ発散して、いたるところにオーロラや星雲を描き出したような感じなのだ。(2…

『ドゥルーズ 流動の哲学』宇野邦一 3/4

アンチ・オイディプス ・精神分析は、子供たちの玩具や遊びさえも両親の代理として捉えるが、玩具も遊びも、こどもの無意識とともに「機械」を形成することによって、家族の外の様々な社会的、歴史的要素を表現しうる。幼児の性欲それ自体が、両親以外のさま…

『ドゥルーズ 流動の哲学』宇野邦一 2/4

根源的な差異としての強度 ・私たちの常識は、たとえば自然界を人間と人間外、生命と非生命に分割し、生命を動物と植物に分割し、さらに動物と植物、有機物と無機物を様々に分類する。そのような<同じもの>が確定されると、知覚は落ち着いて別のレベルの差…

『ドゥルーズ 流動の哲学』宇野邦一 1/4

ベルクソン、スピノザ、ニーチェ ・生命は進化し、新しいものを生み出す。生命がおこなう選択は、予見不可能で不確定な性質を持っているが、「変化しようとする傾向」そのものは決して偶然的ではなく、生命それ自体がそのような傾向をはらむ「潜在性」として…

*一月に鑑賞した作品

1/3 『十六夜清心』 松本幸四郎、中村七之助 1/14 『ドゥルーズ 流動の哲学』 宇野邦一 1/19 『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』 東畑開人 1/28 『ニッポンの編曲家』 川瀬泰雄、吉田格、梶田昌史、田渕浩久