2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

三月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 3/7 『名画への旅(9) 北方に花ひらく―北方ルネサンス?』 3/8 『サボタージュ』 アルフレッド・ヒッチコック 3/9 『円地文子訳 源氏物語 巻二』 3/16 『村上春樹 イエローページ1』 加藤典洋 3/24 『村上春樹 イエローペー…

バーンスタインのブラームス(交響曲第三番)

F-As-Fの導入の和音から導き出される、堂々とした中にある憂い。この屈折した感情が、作品全体を支配している。 第二楽章はノスタルジー、第三楽章は憂愁の音楽。それは、旋律だけでなく音色からも聴き取ることができ、ブラームスの楽器の使い方のうまさを味…

バーンスタインのブラームス(交響曲第二番)

ブラームスの田園ともいわれる第二交響曲。確かに、彼がこの作品をつくり上げたと言われるペルチャッハのおだやかな自然が浮かび上がるようである。曲はしばらく表題音楽的に進み、ときに曇りだした空や長い夕ぐれのような旋律が現れる。 作曲技法的には、第…

バーンスタインのブラームス(交響曲第一番)

交響曲不毛の30年の後、ブラームスが26年かけて作り上げたというこの曲。以前の交響曲では見られなかった和声が頻繁にあらわれることで、堂々とした中にもやわらかい音楽が感じられる。 また、いわゆる循環構造を意識して聴けば、全曲のキーとなるC、Cis、D…

ゼルキンのショパン(ピアノ作品集)

数か月づいたショパン・シリーズも、このCDが最後。 今までの「全集」ものとは違い、「ワルツ」「夜想曲」「マズルカ」など様々なジャンルから、演奏者によって曲が組み合わせられた構成となっている。その意味で、これまで聞いてきた曲集とは毛色が違ってい…

『現代思想の冒険者たちSelect フーコー』 桜井哲夫

何年かに1回は触れたくなるフーコーの思想。レヴィ=ストロースを読んだ流れから、この本を読んでみた。 フーコーの思想だけではなく、その人生についての記述も多く、著者のいうように自らの内面への問いが、彼の哲学を形成してきたことが明らかになっている…