2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

唐草物語/澁澤龍彦

2007/3/5-3/31 「金色堂については、私がわざわざ舌足らずの感想を述べるほどのこともあるまい。昭和四十三年に完了した解体修理作業によって、堂はすっぽりガラスのスクリーンで隔離密閉されることになったが、隔離密閉される以前の堂を私は見ていないので…

ゴドーを待ちながら/串田和美演出

2007/3/27鑑賞 エストラゴン・・・緒形拳 ウラジミール・・・串田和美 「変わったもんだな、あの人たちも。」 「誰が?」

星々の生まれるところ/マイケル・カニンガム

2007/3/17-3/21 「今、ようやくルーカスは悟った。すべてはこのためだったのだ。火事が起こった時、キャサリンが、マナハッタ社にいないようにするためだったのだ。サイモンは彼女を愛していた。彼女はその点を誤解していた。彼は機械と結婚したのではなく、…

戦後政治史/石川真澄

2007/2/21-3/17 タイトル通り、日本の戦後政治をその時代の首相の人物・政策を中心に概観した書。自民党は政権の座にいなければ党が解体してしまうということ、野党は反自民という旗のもとでなければ結束できないということが、日本における政策政治の難しさ…

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

2007/3/17読了 「君は俺にこの街には戦いも憎しみも欲望もないと言った。それはそれで立派だ。俺だって元気があれば拍手したいくらいのもんさ。しかし戦いや憎しみや欲望がないということはつまりその逆のものがないということでもある。それは喜びであり、…

イワンのばか/トルストイ

2007/2/18-3/9 「最後に、第三の人々は―「わたしたちが神について知ることのすべては、神は人々のために幸福をつくってやりながら、なんじらも他人に対して同じことをせよと命じられている、ということだ」といっている。「だからわれらは、神の手本にならい…

イスラムの新しい風(BS世界のドキュメンタリー)

2007/3/5-3/8 「サウジアラビア 石油王国の素顔」 「モロッコ 女性聖職者の誕生」 「変わるトルコのビジネス界」 「パレスチナの村を分断壁から守れ 〜共に闘うイスラエルの人々〜」

フィガロの結婚

2007/3/4-3/8 スザンナ・・・アンナ・ネトレプコ 2006年のザルツブルグ音楽祭で話題となった、モーツァルトのオペラ。以前映像で見たことはあったが、演出のせいかそのときの印象と大きく違っていた。出演者は18世紀的なきらびやかな衣装は身に着けず…

プルーストによる人生改善法/アラン・ド・ボトン

2007/3/7読了 「語り手と休暇にとって幸運なことに、画家エルスチールもバルベックにやって来ていて、彼は古いイメージに頼るよりむしろ、自分自身のイメージを創造する心構えができていた。エルスチールは、その土地の場面を描いている。(中略)語り手は競…

男と女/クロード・ルルーシュ

2007/3/5鑑賞(再鑑) それぞれのパートナーを亡くした、映画監督のアンヌとレーサーのジャンの恋を描いた物語。全編に流れる映像、音楽とも品がよく、二人の持つ雰囲気も素晴らしい。格好の良さばかりが目に付くが、例えばジャンがモンテカルロからアンヌの…

旧約聖書を知っていますか/阿刀田高

2007/2/25-3/4 「(イスラエル民族について)シンボルとして唯一神を掲げ、血の系図を重視し、規律をきびしく整え、排他的とも見えるオリジナリティを堅持しなければ、存続することさえむつかしい。そのために、ああいう神が必要であり、その神を持ったから…

ボロブドゥールの星空

数年前、インドネシアのジョグジャカルタで連休を過ごしたことがあった。その滞在中、近郊にある遺跡、ボロブドゥールで過ごした2日間が忘れられない。遺跡ももちろん魅力的であったのだが、それとともに私の心の中にあるものは、遺跡を取り囲む村々、そして…