2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 7/7

第6章 印象管理の技法 用意周到なパフォーマーは、自分が演じたいと思うショーと、演じたいと思って演じているわけではないショーのそれぞれについて、もっとも手がかからないような種類のオーディエンスを選択しようとする。……夫と妻は、自分たちがもてなす…

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 6/7

第5章 役柄から外れたコミュニケーション (その場にいない者を)内緒で貶めるというのは、内緒で称賛するよりずっとよくある行いだと思われる。なぜならそうした貶めはたぶん、その場にいない者を犠牲にしてメンバー相互間の敬意と好意を示すことを通じて、…

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 5/7

第4章 見かけと食い違った役割 (ある特定のパフォーマンスの中では「パフォーマー」「オーディエンス」「部外者」の三種類の役割があることをふまえ)パフォーマンスが行われているときには、機能と手に入る情報と領域とのアクセスの間に相関関係があると予…

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 4/7

第3章 領域とそこでの行動 もっと重要なのは、状況の定義はふつうインフォーマルとフォーマルの二つの様式の一方に向かいがちではあるが、しかし個別の具体的な状況が、インフォーマルな行動やフォーマルな行動の純粋な事例を提供すると期待すべきではないと…

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 3/7

第2章 チーム 一つのチームが、現実にその場にいるわけではないオーディエンスにショーを見せるために、自分たちだけでパフォーマンスを演じるという可能性にも思い至らざるをえない。たとえば、アメリカの精神病院には、亡くなって身元引受人のいない患者の…

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 2/7

第1章 パフォーマンス あるルーティーンがどれだけ専門化した独自のものであっても、その社会的な外面については、特定の例外的なケースを除けば、あれ程度異なるほかのルーティーンについても同様の主張や言明が行えるような事実が主張される傾向にある。……

『日常生活における自己呈示』 アーヴィング・ゴフマン 1/7

序論 観察する立場にある人は、自分たちが見聞きするものを二つに区分する傾向がある。一つ目は、おもに言語による主張からなる、操作することがが比較的容易な部分、二つ目は、おもに放出する表出から生じる、本人がそれほど関心を払わず、ほとんど統制して…