2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

十二月に鑑賞した作品

今月は以下の作品を鑑賞した。 12/3 『チェーホフ短編集』 12/25 『せいめいのれきし』 バージニア・リー・バートン

ときめく想いを失くすなんて −『チェーホフ短編集』 3/3

そんた「恋バナ」が多いなか、短編集のラストを飾る『いいなづけ』は、主人公があまり恋愛に夢中にならない、やや毛色の違う作品。 そのかわり、主人公の心をとらえるのは、今の自分の生活を変えること、そしてそれに象徴される古びた社会を変えること。 い…

恋の経過は人それぞれ −『チェーホフ短編集』 2/3

引用した部分からも分かる通り、恋をすると、相手のことがそれまで出逢ったどの人間ともちがう、特別な存在のように感じるらしい。こんなことは大昔から使い古された表現ではあるけれど、チェーホフの巧みな観察眼によっても、この事実は覆せないようだ。 し…

チェーホフ、その恋愛観 −『チェーホフ短編集』 1/3

新潮文庫より『かわいい女・犬を連れた奥さん』というタイトルで出ている、チェーホフの短編集を再読。 いつも通り、気にいった個所に付箋を貼って読んでいるが、今回はなぜか恋愛感情を記述したところが多い。とりわけ、男性の主人公が、自分の思いを分析的…