2015-01-01から1年間の記事一覧
今月は以下の作品を鑑賞した。 4/3 『間諜最後の日』 アルフレッド・ヒッチコック 4/7 『ヴェネツィア 水上の迷宮都市』 陣内秀信 4/18 『第三逃亡者』 アルフレッド・ヒッチコック 4/18 『名画への旅(10) 美はアルプスを越えて―北方ルネサンス?』 4/26 …
チャイコフスキーの傑作群となる、後期三部作の1作目。今までは第三番まではバーンスタイン版で聴いてきたが、ここからはムラヴィンスキー版で鑑賞。 傑作と呼ばれる作品だけあって、前作までとくらべ、オーケストレーションの洗練度はぐっと増した印象。ま…
冬から春の初めにかけて、チャイコフスキーの前期交響曲を鑑賞した。後期の作品群に比べ、民族的な、ロシアの冷氷な大地を思わせる旋律が多く、この季節にぴったり。 それまで聞いてきたドイツ系作曲家の作品に比べ、ロシアの作曲家の音楽は親しみやすいメロ…
この作品について、金聖響は次の評価を下している。 まさに、ひとつの時代――ベートーヴェンが切り拓いたロマン主義への道を、多くの作曲家がベートーヴェンを意識しながら歩んだ時代――の終焉を告げるにふさわしい大曲だと思います。(『ロマン派の交響曲』よ…
今月は以下の作品を鑑賞した。 3/7 『名画への旅(9) 北方に花ひらく―北方ルネサンス?』 3/8 『サボタージュ』 アルフレッド・ヒッチコック 3/9 『円地文子訳 源氏物語 巻二』 3/16 『村上春樹 イエローページ1』 加藤典洋 3/24 『村上春樹 イエローペー…
F-As-Fの導入の和音から導き出される、堂々とした中にある憂い。この屈折した感情が、作品全体を支配している。 第二楽章はノスタルジー、第三楽章は憂愁の音楽。それは、旋律だけでなく音色からも聴き取ることができ、ブラームスの楽器の使い方のうまさを味…
ブラームスの田園ともいわれる第二交響曲。確かに、彼がこの作品をつくり上げたと言われるペルチャッハのおだやかな自然が浮かび上がるようである。曲はしばらく表題音楽的に進み、ときに曇りだした空や長い夕ぐれのような旋律が現れる。 作曲技法的には、第…
交響曲不毛の30年の後、ブラームスが26年かけて作り上げたというこの曲。以前の交響曲では見られなかった和声が頻繁にあらわれることで、堂々とした中にもやわらかい音楽が感じられる。 また、いわゆる循環構造を意識して聴けば、全曲のキーとなるC、Cis、D…
数か月づいたショパン・シリーズも、このCDが最後。 今までの「全集」ものとは違い、「ワルツ」「夜想曲」「マズルカ」など様々なジャンルから、演奏者によって曲が組み合わせられた構成となっている。その意味で、これまで聞いてきた曲集とは毛色が違ってい…
何年かに1回は触れたくなるフーコーの思想。レヴィ=ストロースを読んだ流れから、この本を読んでみた。 フーコーの思想だけではなく、その人生についての記述も多く、著者のいうように自らの内面への問いが、彼の哲学を形成してきたことが明らかになっている…
今月は以下の作品を鑑賞した。 2/7 『舞台恐怖症』 アルフレッド・ヒッチコック 2/15 『三十九夜』 アルフレッド・ヒッチコック 2/16 『円地文子訳 源氏物語 巻一』 2/28 『救命艇』 アルフレッド・ヒッチコック
ツィマーマンが自らポーランド祝祭管弦楽団を組織し、録音した作品。1999年の録音というから、クラシック音楽の「名盤」と言われるものの中では、かなり新しい部類に入るだろう。 私自身はショパンの協奏曲にはほとんど触れたことはない。それでも、一聴し、…
バラードは、数多くあるショパンの作品の中では、比較的マイナーなものとなるかもしれない。 ライナーノーツによれば、「バラードはショパンが創作した形式であり、「自由な形式の叙事詩」という文芸上のバラードの特徴を、ピアノ音楽に結実させたもの」との…
本の主な内容は、前回の記事にまとめたとおりです。 昨年『悲しい熱帯』を再読した際、最後に記述された主張がつかみきれず、もどかしい思いをしました。今回、著者の解釈するレヴィ=ストロースの思想に触れたことで、その意味が少し理解できた気がします。…
「悲しい熱帯」を読み、もう一度レヴィ=ストロースの思想に触れてみたくなったため、評判の良いこの書を読んでみました。多岐にわたる内容のうち、特に気になった個所は以下のとおり。 ・サルトルの「地獄とは他人のことだ」という言葉への批判。そのような…
今月は以下の作品を鑑賞した。 1/2 『パリの秘密』 鹿島茂 1/4 『フーコー (「現代思想の冒険者たち」Select) 』 桜井哲夫 1/11 『神話作用』(途中まで) ロラン・バルト 1/14 『私は告白する』 アルフレッド・ヒッチコック 1/23 『山羊座のもとに』 アルフ…
まさに「丁寧」という言葉がぴったりの、アシュケナージによるノクターン。感傷的に陥ることなく、むしろ理知的に、一音一音を大切に響かせ、音そのものに思想を持たせているかのような演奏。 それにより、<第二番>のようなきわめて通俗的な作品ですら、生…
昨年の春に読んだ1巻に続き、2巻も10年ぶりの読書となりました。1巻に比べ、個々の調査時の内容が多いため、エピソードはその都度本を読んで記憶を新たにするしかありません。 ここでは、『悲しい熱帯』全体の印象と共通する、二つのエピソードを書きとめて…