星々の生まれるところ/マイケル・カニンガム

2007/3/17-3/21
「今、ようやくルーカスは悟った。すべてはこのためだったのだ。火事が起こった時、キャサリンが、マナハッタ社にいないようにするためだったのだ。サイモンは彼女を愛していた。彼女はその点を誤解していた。彼は機械と結婚したのではなく、聖者たちが栄光に身を捧げたように、聖ブリジットが頭痛の火の輪に身を捧げたように、機械に身を捧げたのだ。サイモンは知っていた――機械の世界と親密だったから。どんなに親密だったかはルーカスも知っている――マナハッタ社のミシンたちは女たちを崇拝し、求めていたが、ちっぽけなので、大きい機械が男たちをつかまえたように、かれらをつかまえることができない。サイモンは知っていた。推理していた。(機械が教えてくれたのだろうか?)――ミシンたちは、自分たちにできる唯一の方法で、女たちをつかまえる時を待っていたのを。」(『機械の中』より)(129)
「我々は誰も安全ではないことを知らしめる必要がある。金持ちも、貧乏人も。
そうだ、これがメッセージなのだ――誰も安全ではない、母親すらも。愛の名に於いてすべてを犠牲にする人々も。彼女とこの少年は、その日に向かってまっしぐらに突き進んでいる。テーブルにはミルクがあり、犬が食べ残しをあさり、彼女の養子、二人目のルーク、彼女が救った少年が、もう十分愛しているから殺しても良い、と最後の決断をする日に。」(『少年十字軍』より)(282)