「社会の中の民衆」
2008/7/26-8/8 二〇世紀初頭の資産家、アルベール・カーンのコレクションを基に、当時の人々の生活をひも解いていく、全九回のシリーズ。 カーンは平和の実現のためには、ほかの国の人々の生活を理解することが必要だと考え、『地球映像資料館』というコレク…
2008/5/29-6/17 一九七〇年台〜八〇年代の日本において、時代を象徴する人々、あるいは時代の影の側にいながらも、その時代の特性を体現している人々を描く。 その取材の報告も興味深かったのだが、感銘深かったのはあとがきの次の文章である。あとがきの中…
2008/4/29-5/12 ・移動分散型社会 「定着農耕社会で権力の基盤は土地だった。移動分散型社会では、権力の基盤は人間である。どれだけ多くの人間を自分の配下に惹きつけておけるか。それがこの社会の権力の秘密である。定着農耕社会では農民は放っておいても…
2008/3/9-4/20 ・市場は、そこにはいるとモノも人も世俗の縁から切れてしまう場所、つまり「無縁」の場所となる。別の言い方をすれば、いったん神の世界のものになる。日本の社会では市場は河原、川の中州、浜、坂など境界に立てられる場合が多く、それらは…
2008/2/11-3/15 本書での著者の主張は、歴史学の大国主義史観を改めるべき、というところにある。 著者はその主張を、海賊が国家公認の行為であったこと、西洋が香辛料に注目する前から東南アジアの交易社会は存在したこと、アヘンは中国より先にまず東南ア…
2008/1/21-2/27 著者と網野氏の交流をつづるとともに、全体が網野史学のエッセンスを紹介した内容ともなっている。 『無縁・公界・楽』の主張 著者によれば、この本を出した当時の網野氏の主張は以下のものであった。 人間の本質は自由意志であり、それが言…
2008/1/25-2/1 著者のひとつの立場として、明治以降の近代化の過程で東北に押し付けられた、「日本のふるさと」「米どころ」といったイメージを解体することがある。その反証として、東北は近代初期までは米どころではなく、主に稗やソバをを作っていたとい…