イラク 開戦から5年(BS世界のドキュメンタリー)

2008/4/13
イラク帰還兵 苦悩の4年間」
バグダッド 青春グラフィティー
前者は戦争に行った側のアメリカの若者を描く。これらの若者達は専門職としての軍人ではなく、学生や会社員として生活しながら訓練を受け、志願してイラクに赴いた者達である。
彼らはベトナム戦争のころの兵とは違い、中産階級の学歴のある若者である。また、ドキュメンタリーに出ていた者たちはすべて白人であった。
帰国後、彼らは戦場の悲惨な記憶をぬぐうことができないでいる。それに加え、アメリカでは無実のイラクを侵略した悪者、という扱いも受ける。その中で、アメリカに自分の居場所を見つけられなくなる者もいれば、それらの体験を成長の糧とし、新たな人生を歩みだす者もいる。
後者はバグダットの高校生の日常を描いたものである。
まず印象深かったのが、彼らの生活の豊かさであった。パソコンや携帯電話は当たり前、服装もアメリカ風でおしゃれだ。普段の生活は東アジアや欧米の国々と変わらない。
しかし、彼らの生活は、常に戦争の暴力ととなりあわせだ。当たり前のように爆撃やテロがあり、同級生にも死者やけが人がでる。家族とともにイラクから去っていく友人もいる。
しかし、彼らから悲壮感は感じなかった。戦争とは、彼らにとって、ただそこにあるだけのものでしかない。彼らはその日常を、彼らなりに楽しみながら過ごしている。それはほかの国の若者となんら変わりはない。
アメリカの若者の苦悩と成長、イラクの若者のさわやかさ、それぞれに現在の若者のあり方の「リアル」を感じることができた。