亀も空を飛ぶ/バフマン・ゴバディ

2008/8/25
イラク戦争下の、イラク北部のクルド人社会の様子を、子供達のリーダー格であるサテライトを中心に描く。
印象的なのは、子供たちが非常にシビアで、冷めた視点を持っていること。戦争状態が日常であり、難民や地雷による被害をリアルに経験している中では、子供特有の明るさのなかにも、現実の厳しさが見え隠れしている。
腕や足のない子供が普通の生活をしていたり、幼くして産んだ赤んぼうを殺してしまう少女が出てくるが、彼らにとってそれが何でもない日常であるところが恐ろしい。