北漂一族〜北京・さまよえる若者たち〜(ハイビジョン特集)

2007/12/1
今の中国では、地方から成功や華やかな生活を求め、北京に出てくる若者が多い。彼らは自らのことを「北漂一族」と呼ぶ。
彼らが北京に出てきた理由は「やりたい仕事をしたい」「華やかな生活をしたい」「青春を充実させたい」という理由が多い。また、成功者も自分の生活を過剰に演出しており、ある種のあせりが感じられた。発言からは、北京への劣等感を感じさせるものが多い。彼ら全体からは、地に足の着いていないうわついた印象が感じられ、まさに『漂』という字が表わす印象そのものだ。
若者の多くは、北京で居場所がないことの不安を口に出していた。私自身、過去に地方から東京に出てきた経験があり、その居場所のなさは実感としてよく理解できる。しかし、私がその居場所のなさからい抱いた感情は、決して不安だけではなかった。それは自分が根っこの部分から切り離された気楽さであった。居場所がなく漂い続けることに、彼らは良い意味を見出していない。劣等感からか、過剰に北京人になりたがっている。しかし、彼らに必要なのは、漂うことを気楽に受け入れる、そのような処世術であろうと思う。