世界悪女物語/澁澤龍彦

2008/6/17-7/30
世界の名だたる悪女を題材にしたエッセイ集であるが、興味深いのはその人選であろう。
「ルクレチア・ボルジア(十五世紀イタリア)」「エルゼベエト・バートリ(十七世紀ハンガリア)」「ブランヴィリエ侯爵夫人(十七世紀フランス)」「エリザベス女王(十六世紀イングランド)」...といったレパートリーからは、当時の筆者の趣向とともに、六〇年代の独特の空気のようなものが伝わってくる。