巨匠とマルガリータ/ブルガーコフ

1930年代に書かれた小説ですが、その時代の意匠も感じる一方で、非常に現代的なものも感じました。それは、人々の考えかたや行動に関してではなく、悪魔であるヴォランド一味のキャラクターについてです。彼らの姿は、例えば古い幻想小説に出てくるものというよりは、現在のアニメーションに出てくるキャラクターに近いイメージで捉えることができました。
このようなサブカルチャー的な印象からは、ロシア版の「黒い水脈」を想像することもできると思います。

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)

巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)