ライトノベル「超」入門/新城カズマ

2008/6/10-6/13
数年前のライトノベルのを巡る状況や、その歴史を紹介した内容になっているが、次の“キャラクター”に関する説明が特に面白かった。
ゲーム、あるいはゲーム的な発想で、物語のエンディングが複数になり、登場人物は葛藤も決断もしていない場合、かれらはどのような存在として物語の中に居残り続けられるか。それは、シチュエーションと行動の確率分布を重ね合わせたものとして、読者に理解される。
たとえば「ウェルテル=最後に自殺した、あいつ」ではなく、
「ウェルテル=なんか、いかにも追いつめられると自殺しそうな、ああいうタイプ」として。
作り手とユーザーの双方に「ああいうタイプ」についての共通理解があれば、これは十分機能する。そして分かりやすく外見や持ち物に対応させれば、共通理解を成立させることができる。
あとは、外部から状況を与えてやればいい。作者が事前に与えればライトノベルとなり、ユーザーがボタンを押すことで与えればゲームとなる。