フェリーニのローマ/フェリーニ

2008/6/8
フェリーニ自身がローマに出てきた一九四〇年代と、映画が撮られた一九七〇年当時のローマの様子を描き、いわば現代ローマの今昔物語となっている。市井の人々の生活を撮っている部分もあるが、作品の多くの部分は郊外、寄席、地下鉄の工事現場、娼館など、社会の周辺部の描写が主となっている。
映画は四〇年代から七〇年代への時代の移り変わりを鮮明に表現しているが、七〇年代になってもローマの人々は「生」にあふれていた。現在のローマには、果たしてその「生」は、いまだ存在できているのだろうかと思う。