恋のエチュード/トリュフォー

フランス人クロードはイギリス人アンとミュリエルの姉妹に出会い、共に暮らすことになる。彼は姉アンの計らいからミュリエルと婚約するが、結婚まで分かれて生活している内にアンと恋に落ちる。しかし、二人の仲はミュリエルの知るところとなり、恋は破局する。そしてアンはクロードの子供を残して死に、ミュリエルとの仲も終わる。
クロードの初恋の話を、洒落た、そしてほろ苦い演出で描いているが、次の印象的なエピソードから、それだけでない、恋愛における時間や記憶の問題もテーマとして取り上げていると思われる。
・最初の恋が終わった後にクロードが再びアンにアプローチした時、アンは過去のクロードの想い出が壊れるのを恐れ、彼の申し入れを拒む。
・姉妹との恋が終わった後、クロードはそのエピソードを基に小説を出版する。彼は小説の中に苦しみを押し付けることで、自らは失恋の苦しみから逃れる。
・アンとの思い出があるロダン美術館で、クロードはアンの娘を探す。そして彼女の中にアンの記憶を見い出そうとする。