クリムト 黄金の騎士をめぐる物語

1月27日に愛知県美術館で鑑賞。
クリムトといえば、金を使った官能的な絵画。確かに代表作はそのような作品ですが、展覧会ではそれだけにとどまらない、彼の多様な面を観ることができました。
生涯の多数の作品をあえてひとつの言葉で表すとすれば、「装飾」でしょうか。今回の展覧会では、ポスター・書籍の表紙など、デザイン的な要素が強い作品が多数展示されていましたが、現代でも十分通用しそうなモダンさがありました。
また、後期の作品にみられる鮮やかな色彩。これらのなかでは、女性や子供の表情は、装飾的な画面構成のための、モチーフのひとつとして扱われているかのようです。
ほかに、同時代のウィーン分離派により作成された、家具や小物類も展示されています。市松模様や格子柄を多用したシンプルなデザインからは、「正方形」という幾何学の究極的な図形の変奏という、彼らの装飾哲学が読み取れるかもしれません。