Setouchi 2017 3/3

 最終日は、文教地区の建築(直島小学校、中学校)を見つつ、本村地区へ。ここには、ANDO MUSEUM、そして古民家を利用した「家プロジェクト」がある。
 家プロジェクトでは、5つの展示を鑑賞できるが、ここでも時間をテーマにした作品が多い。目が暗闇に慣れることで見えてくる光、それぞれ違う速度で進むデジタル数字、古い新聞や写真のコラージュ。また、それらのテーマだけでなく、デザインの洗練を見せてくれるもの、ここの展示の特徴だ。

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 港のある宮浦に戻り、フェリーの出向までアールグレイを飲み、休息する。
 今年の瀬戸内で感じた「時間」というもの。30年間で観光地として進化を遂げた倉敷。一日の時間の流れのなかで表情が変化する、あるいは時間そのものをテーマにした、直島の芸術。
 地中美術館で購入したハンドブックには、収蔵する作品について、次のように記載されている。

 モネ、デ・マリア、タレルに共通するのは、自然と向き合い作品を制作していることです。つまり自然を解釈し、そこから得たアイデアを作品にしているのです。自然を光や色彩、形態に置き換え、それぞれ独自の方法によって作品にしています。

 この文の「自然」を「時間」に置き換えると、私が見た直島芸術の印象となる。「時間」というものは、今の私にとって、重要なテーマとなっているものなのかもしれない。