『インドシナ』 レジス・ヴァルニエ

2009/3/12鑑賞(再鑑)
トリコロール 青の愛』に続き、以前見た映画を再び見直してみました。9年ぶりの鑑賞です。やはり、9年前に見たときからの印象の違い、また自分が抱く思いの変化を強く感じます。
この映画を始めて観たときは、その前年に訪れたベトナムの印象を強く感じたことを覚えています。映画に描かれる湿気を含んだ空気感や、南国特有のけだるい雰囲気、あるいは人々の表情に当地の様子を感じさせるものがあったのでしょう。
当時の私にとってベトナムとは、伝統的な建物や植民地時代のクラシックな街並みの中にもアジア的な混沌をもった、どこか幻想的な国として印象付けられていたと思います。
その後、2度目のベトナム訪問、そしてベトナムを表象するさまざまな映画作品を見た後で、あらためてこの作品を見返してみると、自分の中でのベトナム像の変化に驚かされます。
今回この作品のベトナムに感じたものは、良くも悪くもある種の作り物くささであったと思います。それと同時に、当時に比べ今はベトナムのことを、同時代の一つの国として客観的に見ているということに気づかされました。
そのような意識の変化の中に、9年間といく時間の流れを改めて感じるのです。

インドシナ [DVD]

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