アジアの不思議な町/巌谷國士

2007/1/7-1/18(〜p142,p292〜)
文学者の眼によってアジアがどう表象されるのか、という興味から読んでみた。
北京にユートピア都市のおもかげを見るなど、シュルレアリストならではの独創的な視点が随所に見られる。ただ、エッセイが書かれた時代のせいもあるが、繰り返される近代日本批判にはやや食傷気味になる。
また、この本で紹介されている都市のいくつかは、実際に訪れたことがあるが、著者の感覚と私の実感がうまく調和しないことが多かった。(私と違う考え方をしているから、という理由ではなく、感覚としてどうもしっくりこない、という意味で。)
そのようなわけで、読むのを途中で止めてしまったが、著者の最近の作品を読んでみたい気にもさせられた。いまの時代の気分で行く旅行では、旅先で感じる感覚も変化しているだろうと思うのだ。