エデンの東/エリア・カザン

2008/1/22
一九一〇年代のアメリカの地方都市を舞台に、父と二人の息子の葛藤、愛を描く。
感動的だったのは、キャルが父親の事業の損失を補うために自分で稼いだ金を、父親から拒まれる場面。父親への愛の精一杯の表現であるはずのお金を、汚いものとして拒まれてしまう。キャルは自分の思いが通じなかった悔しさ、努力が簡単に否定された無力感から泣き崩れる。
映画を見て感動的なシーンに出会うことはあるが、ここまで心をえぐられるようなシーンも少ない。素直な愛情を否定される残酷さ、そして心に訴えかけるジェームズ・ディーンの演技の素晴らしさが光る。