好奇心紀行/阿刀田高

2007/5/14-6/9
「私自身は比較的繁く図書館を利用するほうだろう。小説家は仕事がら自分の周辺に蔵書をたくさん抱え込んでいるけれど、昨今は住宅事情に限界があって、なにもかも手もとに置くというわけにはいかない。
雑誌類について言えば、私は目次だけを切り取って、本体のほうは捨ててしまう。目次には読んだ記事に赤丸をつけ、雑誌べつに束ねておく。あとで、仕事の最中に、――関連する記事を前に読んだなあ――と思ったら、記憶を頼りに目次の束を眺める。(中略)あとは図書館へ行って本体を借り出せばよい。」(56)