ひかり 絵画にみる光の表現/メナード美術館

2012/2/1鑑賞
平日の午後の美術館は、来館者が10人もいなかったと思う。
以下の作品が印象に残った。
≪道と電信柱≫ 岸田劉生
1914年の作品。南国の小路にも、東京郊外の風景にも見える。
電信柱と道の組み合わせに、叙情的な新しい美が見つけられたのだと思う。
≪残春≫ 山本丘人
三つの花を大きく描いた絵。タッチによる花の描き分けがおもしろい。
≪春宵≫ 松村公嗣
春の夜の背景と、淡い色合いの花の風景。
1987年の作品だが、色合や作品のもつ雰囲気に昭和末期の時代感を感じる。
≪雪景≫ モーリス・ド・ヴラマンク
絵の具を盛りたてたような表現。暗い情景に、田舎の夜の深みをみることができる。
≪街の光3≫ 田淵俊夫
銀座の街灯を中央に描いた、やや小さめの作品。そこに美があれば、どんなテーマでの作品になる、との作者の言葉があった。
マチュアの写真作品によく見られるような構図だが、この作品が2006年にあえて描かれたことが新鮮でもある。
≪アトリエの午后≫ 森芳雄
モダンで都会的な色遣いが印象的な作品。この絵からは、自分の好きな昭和四〇年代の雰囲気を感じる。
おしゃれなポスター絵画のようで、決して傑作ではないのかもしれないが、このような時代感を表現している作品は、私の好みなのだと思う。