2011/3/31途中まで読了
アメリカの60年代〜80年代のサブカルチャー、ポップカルチャーの要素を織りまぜながら、「経営状態がいかがわしいカフーナ航空のエンターテイメント飛行機が、UFOもどきに襲われる」ようなエピソードや、「東洋思想を取り入れた自己啓発セミナーのような『ニンジェット』サークル」「『忍法一年殺し(ニンジャ・デス・タッチ)』の秘術を利用しようという、DLを取り囲むヤクザ=マフィアの情報ネットワーク」、あるいは「『死んでいる、みたいで、ちょっと違う』シンデルロたち」が登場する。
読んだ印象は、『ギャラクシー・ハイスクール』のようなアメリカのアニメーションや、80年代のアメリカ映画『キャノンボール』、または香港のフルーツ・チャンの映画に似たものを感じる。
ただ、サブカルチャーを扱うものの宿命かもしれないが、文体や個々の話題はどうしても時代がかったものに見えてしまった。文章では感覚的に楽しむこともむずかしく、読破することはできなかった。例えば連続アニメーションのような形態で映像・音楽とともに鑑賞すれば、魅力がより伝わる作品ではないかと思う。
ヴァインランド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集)
- 作者: トマス・ピンチョン,佐藤良明
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/12/11
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