第372回定期演奏会 バーゼル/名古屋フィルハーモニー交響楽団

2010/9/3
斉木由美:二つの素描−独奏ヴァイオリンとオーケストラのために
マーラー交響曲第5番嬰ハ短調
マーラーは自分にとって鬼門となっている作曲家である。そのため、今回の演奏会では初めて事前に解説書を読み、臨んでみた。
鑑賞の結果、例えば対位法であったり、通俗曲の旋律流用やアイロニカルな表現は、確かに理屈では分かる。しかし感覚的には、きらびやかな演奏の持つ、その内側までは入っていくことはできなかった。
対位法やソナタ形式を、体にしみこませた上でないと、曲の魅力を感じ取ることは、まだ難しいのかもしれない。
ちなみに、今回は高校生の観客も多く、耳にした会話からは、個々の楽器の響きや演奏法に感銘を受けている様子であった。