『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』 河合隼雄 村上春樹

2009/11/19読了

コミットメントというのは何かというと、人と人との関わり合いだと思うのだけれど、これまでにあるような、「あなたの言っていることはわかるわかる、じゃ、手をつなごう」というのではなくて、「井戸」を掘って掘っていくと、そこでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる、というコミットメントのありように、僕は非常に惹かれたと思うのです。(84)

それは表現という形にする力を持っていないとだめだ、ということになるでしょうね。それと、それと、芸術家の人は、時代の病いとか文化の病いを引き受ける力を持っているということでしょう。
ですから、それは個人的に病みつつも、個人的な病いをちょっと越えるということでしょう。個人的な病いを越えた、時代の病いとか文化の病いというものを引き受けていることで、その人の表現が普遍性を持ってくるのです。(127)

村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)

村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)