ふたりのベロニカ/クシシュトフ・キェシロフスキ

2008/9/21
名前・顔が同じふたりの女性をテーマにしたストーリー。ラストはポーランドのベロニカの存在と死を知った瞬間、フランスのベロニカが彼女との偶然の邂逅を思い出し泣き崩れる、というシーンで終わる。
ストーリー自体はアイデア勝負の作品といった感も無いわけではなかった。ただ、九〇年代のヨーロッパ映画特有の、おしゃれで、やや話の込み入ったスノッブな印象は、好きになれた。映画が公開された九二年当時は、このような作品が、ヨーロッパ空気を伝えてくれるひとつの典型ではなかったかと思う。