冬の光/ベルイマン

2007/9/9
北欧の小さな町で牧師をしている主人公は、ある夫婦から相談を持ちかけられる。夫がふさぎこんでいる、という相談に、牧師はいい加減な気持ちで慰めるが、そのことを後悔している間に夫は自殺してしまう。
舞台背景となる冬の寂しい漁村の風景や、やる気のないオルガン奏者など、映画全体に諦念が漂っていた。映画は主人公が説教壇で語りかける「聖なるかな全能にして主なる神 その栄光は地に満つる」という台詞で終わる。その場面にも、彼の牧師として繰り返される日常を生きるしかない、という投げやりな感情を感じた。