ベリッシマ/ヴィスコンティ

2007/8/5(再観)
娘をオーディションに合格させようとして奮闘する母親を描いたドラマ。
イタリアの下町の様子がとても生き生きと描かれている。明るい乾いた日差しの下で、イタリアのおばさんたちは本当によくしゃべる。生卵に穴を開けて吸ったり、歌いながらアパートの階段を下りる様子などの、庶民の生活のディティールも面白い。
娘が映画女優になることを期待する母親だが、試写室で監督たちが娘を笑いものにしているところを目撃し、「娘は貸せない、笑いものにはさせない」と、出演の契約を断ってしまう。当の本人たちは元の貧しい生活を選ぶのだが、最後にはほのぼのとした幸福感が漂っていた。
「失望しないで。家は私が稼いで買う。死んだ気になって働くわ。ローマ中の人を糖尿病にして注射を打ちまくる。心配しないで。」(1:50)