生きものの記録/黒澤明

2007/7/17-7/18
「わしは今、不安で不安でたまらん。しかしな、こうさせたのはあなた方ですぞ。わしは今、あなた方のおかげで、手も足も出ん。何にもできん。ただ黙って水爆の恐ろしさを考えとる、考えとるだけじゃ。ところがな、考えれば考えるほど、いても立ってもいられなくなる。しかも何も、何もできん。人間、これ以上の責め苦はありませんぞ。」(1:04)
「しかし、この患者を見ていると、何だかその、正気でいるつもりの自分が、妙に不安になるんです。狂っているのは、あの患者なのか、こんな時世に正気でいられる我々がおかしいのか」(1:35)