南へ向かう女たち/ローラン・カンテ

2008/10/7-10/10
70年代に、カリブ海のハイチに、現地の黒人男性とつかの間の恋愛を楽しみいく、中年の白人女性たちの生態を描く。また、彼女たちのバカンスの背景に、当時のハイチの政治的状況、強者による弱者の生活への介入の様子などが語られる。
この作品を見て、思い出したことがある。学生時代に東南アジアを周遊していた時、バカンスに訪れる白人観光客とよく出会った。彼らは見た目からの判断ではおそらく中流以下であり、「庶民のバカンス」を楽しんでいる人達であった。そして、彼らのなかで、中年女性たちからやや下品な印象を受けることが多かった。そのような印象を受けるのは男性からよりも、圧倒的に女性からであったのだ。この作品では、そのような中年女性たちの下品さが、よく垣間見られる場面が多かったと思う。