夏の嵐/ヴィスコンティ

2006/11/21鑑賞
19世紀、オーストリア占領下のヴェネチアで、一人の将校に恋した女性の物語。美しい絢爛なセット、リアリティのある街並の風景が非常に印象的な作品だった。
伯爵夫人のリビアは、従弟の仇である情熱的なオーストリア人の将校、フランツに惹かれていく。恋に盲目になった彼女はフランツを除隊させ、戦争から遠ざけるために、除隊のための賄賂として使う大金を手渡す。しかし、それを手にしたフランツは、祖国の英雄となる目的を見失い生活は堕落していく。彼の生活を見てショックを受けたリビアは、贈賄による除隊を密告し、フランツは銃殺刑に処される。
夏の香りは好きだな 熟れた麦を積んだ香りだ 香りがあふれている 疲れた 空気は甘くてけだるいし」
「敗戦は見えている 戦争だけではない 今にオーストリアは滅びる 君と僕が生きている全世界が消えてなくなる そんな事に巻き込まれるより 楽しんだほうがましだ だからこそひとときの恋に金を出した」