『錯乱のニューヨーク』レム・コールハース 4/4

9.11

 ロックフェラー・センターのX,Y,Zのそれぞれのビルでは再び、任意に選ばれた敷地の単純な上方拡大が行われる。ハリソンは結局マンハッタニズムを捨て去った。
 しかし考えようによっては、Zの次にはAが再び来るわけである。こうした世界の内破(インプロ―ジョン)は、原点の百階建てビルの内破のようなものであり、そしてたぶん新しいアルファベットの始まりに過ぎないのかもしれない。
 一九六四年、ニューヨーク万国博覧会。テーマ展示――ユニスフィアでは、黒こげのポークチョップのように、大陸片が空しくマンハッタニズムの残骸の上にへばりついている。(482-483)